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学会長あいさつ

 

 

学会長 小林多寿子

 日本生活学会は1972929日、生活学の提唱者である今和次郎先生を初代会長として22名の理事によって設立されました。20世紀後半、急激な社会変動によってもたらされた生活様式の変化のなかで生活そのものを対象とする学問である生活学が生まれました。川添登先生によれば、日常の当たり前の生活の基礎のうえに人間のあらゆる社会活動が営まれているという「生活の公共的自明性」をあらためて問い直しはじめたのです。以来、40年がたちました。

いま生活学会は40年のあいだにうみだしてきたさまざまな生活学の業績を省みて、生活学会のはたしてきた役割と意義を再考する時期に至っているとおもいます。

 生活学への系譜をたどると、1920年代の生活問題や都市文化の研究、日本民家研究、1930年代から40年代の国民生活の研究が続き、1950年代に今和次郎『生活学の空想』と中鉢正美『生活構造論』という二つの卓抜な作品が生活学成立の基礎となったことがわかります。生活学の誕生は、民俗学や家政学、建築学、文化人類学、風俗学などの発展とも連動しています。生活学は、当初より生活の諸問題があらゆる学問領域にわたることを反映した学際性を内包して成立しました。生活の主体である生活者の立場に立つ学問であり、生活の日常性の論理がどのようなものであるかを実証的にあきらかにしようとしてきたのが生活学なのです。

実際の学会活動がはじまった1974年以来、戦後のさまざまな学問領域をリードしてきた多くの碩学が複数の学問領域を横断しながら活躍し生活学の業績が輩出され積みかさねられてきました。

私は、社会学を専攻する大学院生であった1980年代、梅棹忠夫先生が書いた『今和次郎集1 孝現学』の解説を読んだときに初めて今先生の仕事の意義を理解しました。その後、米山俊直先生とともに新大阪地域調査をおこなったときに生活学会に関わりはじめました。

20年を経て、私は12代目の会長をお引き受けすることになりました。18名の理事・監事で構成される2012-13年度の理事会とともに生活学会の運営にあたります。今期の理事会はとりわけ若い世代の生活学者が中心となって担うことになりました。

日本生活学会が設立された当時以上に社会変動のただなかにある現在、私たちの役目は、これまで生活学会がうみだしてきた数多くの業績をいま一度確かめて、次世代に繋いで架橋していくことにあるとおもっています。生活学の系譜をふまえて生活学会の業績の数々を、<生活学ヘリテージ>、つまり生活学の遺産として受け継ぎ、次世代へ継承していきたいとおもいます。会員のみなさまの積極的なご支援、ご協力をお願いいたします。

 

 

 

update2013-3-14

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